白い巨塔

山本薩夫監督の

映画「白い巨塔」を

BSで見た。

1966年に制作された

モノクロ作品で

二時間を超える大作だが

脚本家・橋本忍の

シナリオは

実に

よく整理されており

原作者・山崎豊子の

長く複雑な物語を

緊張感を保ったまま

手際よく

最後まで描き切っている。

何と言っても

主役の

田宮二郎がいい。

アクの強い

野心家

財前五郎を

見事に演じていて

その眼光の鋭さは

往年の三船敏郎を

彷彿とさせるものがある。

そして

彼を

取り巻く俳優陣が

これまた豪華絢爛。

東野英治郎・小沢栄太郎・加藤嘉

田村高廣・船越英二

滝沢修・加藤武

どの人も

名優と呼ぶに

ふさわしい人ばかり。

明らかに

彼らの

力量によって

この映画は

重厚さを増している。

撮影現場では

一癖も二癖もある

彼らが

互いに

刺激し合い

火花を散らすかのように

しのぎを削ったに違いない。

中でも

主人公・財前五郎の

義父で

なりふり構わぬ

大阪医師会のボス

財前又一を演じた

石山健二郎の

快演には

心から喝采を送りたいし

財前五郎の愛人

ケイ子役の

小川真由美も

素晴らしかった。

こうした

百戦錬磨の役者たちの

個性を引き出し

緊張感に溢れた映画に

仕上げた

山本薩夫という

監督の能力の高さは

驚嘆に値する。

山崎豊子にせよ

山本薩夫にせよ

橋本忍にせよ

ある意味

この映画は

この時代の

日本が持てる

全ての才能を

結集して

作られた映画と言っても

過言ではないと思う。

見終わって

クイズ番組

タイムショックの

司会を務めていた頃の

スマートで知的な

田宮二郎の姿を

懐かしく思い出し

山崎豊子の原作を

読みたくなった。

父の蔵書の中に

きっと

あるはずだ。

探してみよう。

使用機材

カメラ:SONY α7RⅤ

レンズ:FE24-105mm F4 G OSS

すべて手持ち撮影

「白い巨塔」への2件のフィードバック

  1. 我が家でも見ていましたが、私はちょうど別のことがあって見ることができなかったです。
    やはり良いドラマはいつ見ても感動するのでしょうね。
    小説を読めば自分の世界で入ることができると思いますが、映画の良さは俳優さんたちの作り出すものが大きいから、
    それはまた素晴らしいですね。
    映画を見て小説を読むか、小説を読んで映画を見るかってことかしら・・・

    1. おはようございます。たいていは小説の方が面白いですが別物と考えた方がいいですね。この映画は一見の価値あります。

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