厳寒の朝しか撮れないものを

・放射冷却現象

この日の予想最低気温はマイナス24度。
このくらいまで気温が下がる時は放射冷却現象によることが多い。
つまり晴れることで地表の熱が奪われる仕組みらしい。
晴れるのであれば!と思い朝5時前に家を出た。
向かった先は東川町の忠別ダム。
思い描いたのは夜明け前の青い空ときらめく星がダム湖にリフレクションとして映り込む様子。

・厳寒の朝しか撮れないものを求めて

ツルツル路面を走りながら湖面が見えそうなのはダムの管理事務所辺りだろうと思った。
ところが着いてみると門は閉鎖していて立ち入ることすらできない。
そもそも普段ロケハンなどしていないのに湖面が見えるポイントが冬もあるだろうと考えたのが甘かった。
仕方なく先へ進むと右に「行き止まり」という看板がある除雪された道を見つけた。
かなりの距離を下って行く。
もしかすると湖面の見える場所に出るのかも。。と淡い期待を描いた。

・ところが。。。

突き当りはダムの壁だった。
30mくらいはあるだろうか。
まさに立ちはだかるようにそびえていた。
ダムの壁で切り取られた星空を撮るのもいいかと思い三脚をセットした。
ところがカメラをセットしようとしているうちに淡く見えていた星が雲に隠れてしまった。
クソ寒い中、真っ暗闇に一人ぼっち。
空を見上げながらヒグマは冬眠してるから大丈夫だろうとか考える。。
ものすごく寒い!
完全武装している身体は寒くないが手袋をしているのに指先が痛くなって来る。
防寒仕様の長靴もつま先が冷たい。。
東側の大雪山から朝日が登るのはわかっていたが、この巨大なダムの壁越しに撮っても面白いだろうかとしばらく考え美瑛に移動することを決断した。

・美瑛の丘から

目指した美瑛の丘に到着したのは6時半くらい。
日の出は6時50分くらいだったのでまだ薄暗く誰もいない。
空には雲が多くて快晴には程遠かった。
しかし、とにかく寒かったものの鼻がひっつくほどではない。
少しずつ明るくなる中、望遠レンズや広角レンズを試す。
もうすぐ日が昇るというのに背後には月が高く見えた。

・自然は気まぐれ

大雪山の峰々がシルエットになり日が昇り始める。
下に広がる美瑛の大地は深い霧に包まれている。
7時を過ぎてようやく太陽が顔を出したがイマイチ。
この頃にはカメラを構える人が数人いた。
全体としてパッとしないので旭川空港に移動して朝イチの到着便を撮るため撤収した。

・サル以下

まぁ、いつものことだがろくにロケハンもしないでいい写真など撮れるわけがない。
美瑛に移住したプロカメラマンは一日に美瑛の丘を300kmは走るという。
どんな時にどこでどんな様子になるかを常にロケハンしているのだ。
いつも反省するのだがサル並みに忘れてしまう。
これだけ寒ければサンピラーが出るかもしれないとも思ったが結局サンピラーは現れなかったようで空振りに終わった人が多かったらしい。
とにかく事前の周到な準備は当たり前というのが今回の教訓!

「厳寒の朝しか撮れないものを」への2件のフィードバック

  1. 見るからに寒そう!
    でも素敵な写真ですね。こういう写真を撮る努力が素晴らしいと思います。
    ご自分が撮りたい写真に向かって走り続けていること、素敵だと思います。

    1. いつもありがとうございます
      ボクはどうも夜行性で何事も始めるのが遅くなってからなので朝は寝ていないことが多いのです。その時気力体力が残っていれば撮りに行こうかとなるのですがなかなかできません。いろいろ撮りたいものはあるんですが…

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