スリリングな結末

ー 疲れ果てて ー

7月28日

10日間にわたる

展示の全てが終わった。

まさに

疲れ果てた。

疲労困憊とは

このことだ。

ー 複雑な構造 ー

今回の展示は

横幅2.8m

縦2.1m

しかも

下部は約45度

手前に

折れ曲がっている。

構造的には

上部は吊り下げ。

下部は

立て掛けるだけ。

ー 巨大 ー

事前に

組み立てみたいと思い

居間の

テーブルや椅子を

片付けて

スペースを確保しようとしたが

斜めに置くのが

精一杯。

そりゃあ

A1 7枚と

A2 12枚だもの

と思いながら

あらためて

その大きさに

ため息が出て

会場で

時間内に

本当に完成できるのか

不安でいっぱいになった。

当日の作業は

このパネルだけではなく

6人での

共通テーマの展示もあるのだ。

限りなく

心細くなる。

ー 上パネル ー

まず

上のパネルを

組み立ててみた。

上のパネルだけでも

相当大きい。

手順を考えながら

作業を進める。

下地になる

枠パネルを

ベースのシナランバーに嵌め

4ミリのガイドパネルを

挟み込む

5cm x 10cmの板を

ビスで止めていく。

ー 感慨 ー

全ての下地パネルを

嵌め終わった時には

すでに

1時間が経過していた。

慎重に

やっているせいもあるが

汗だくだ。

次に

4mmの

ガイドパネルを

嵌め込んで

写真パネルを

置いていく。

この部分は

知恵を絞っただけあって

比較的スムーズに進んだ。

出来上がった

上パネルは

美しかった。

ここまでの

長い道のりと

苦労の連続の

様々な場面を思った。

ー 本当に吊れるのか ー

しかし

パネルは巨大で

4枚に

分割されているはいえ

本当に吊れるのか

心配が湧き上がる。

会期中に

落下するなど

論外だ。

この問題を

解決するため

吊り金具を

増やすことにした。

また

ベースパネルから

下地パネルが外れて

落下するのも困る。

これは

両面テープで

対応することにした。

何よりも大切な

写真パネルが

落下したり

反ったりするのは

一番あってはならないことだ。

しかも

この部分は

撤収後

下地パネルから

写真パネルを

分離する必要があるので

マジックテープを用意した。

ー 下パネル ー

下パネルは

上パネルの経験を

活かして

比較的に順調に進んだが

組み立て分解し

両面テープや

マジックテープを

貼り付けるのに

2日掛かった。

落下の恐怖から

各テープの数を

増やしたことも

作業時間が

増えることにつながった。

ー いよいよ搬入 ー

いよいよ

運び込む日が

近づいて来たが

とても一度に運べない。

まず

共通展示の

額6枚と

写真パネル19枚を

美瑛の道の駅の

二階常設展示場の

収納スペースに

置かせてもらった。

そして

いよいよ当日を迎えた

当日は小雨模様。

大雨でなかったのは

幸いだったが

コンディションは

湿気が高く良くない。

分解した

ベースパネルは

計算通り

車に積み込めた。

だが

19枚の下地パネルに

作業用の小道具一式を

積み込むと

車の中はびっちりだった。

ー 会場到着 ー

会場のビエールに到着。

15時までの

Bグループの展示が

終了するのを待ち

ボクらCグループの

共通展示に取り掛かった。

CADで作成した

共通展示の

レイアウト図面を示し

倉庫から

台となる備品等を出し

手分けして

共通展示の配置をしていった。

サークルの荻原会長や

Bグループの人たちは

全員が残って

展示を手伝ってくれた。

16時半を過ぎた頃

荻原会長から

「こちらは

ボクらで

なんとかするから

個人展示に

取り掛からないと

時間がないよ」と言われ

やっと

巨大パネルの

設置作業に

取り掛かった。

ー 展示作業開始 ー

まず

ワイヤーの位置を決め

4枚に分かれた

上パネルを

吊り下げていく。

吊り金具を増やした

おかげもあって

どうやら

落下の心配はなさそうだ。

それでも

落下が怖かったので

急遽前日に

用意した

シナランバーで

上パネルを

床から支えた。

このシナランバーが

思い掛けなく

後になって

問題を引き起こす。

両面テープの

上紙を剥がし

さらに下地パネルの

マジックテープの

上紙を剥がして

ベースパネルに

下地パネルを

取り付けていく。

4mmの

ガイドパネルを

角に付けながら

マジックテープの

接着面に

写真パネルを押し当て

貼り付けていく。

ここからは

ぶっつけ本番だ。

ー ぶっつけ本番 ー

マジックテープの

接着面は強烈で

一度間違って

固定してしまうと

ほとんど修正が効かない。

しかも

上パネルは

吊り下げられているから

押す力には

簡単に動いてしまう。

作業は

脚立の上で

これまた不安定だ。

上パネルが

出来上がったのは

18時少し前。

ー 残り1時間 ー

この会場は

19時で閉館する。

残り約1時間で

下パネルを

仕上げねばならない。

実は

下パネルが

一番心配だった。

本当に

立て掛けるだけで

うまくいくのか

自信がなかったからだ。

案の定

斜めに立て掛けた

下パネルが

滑ってしまい

うまくいかない。

ー 現実に ー

危惧していたことが

やはり現実になった。

しかも

上パネルの支えに入れた

シナランバーの位置が

想定の真ん中ではなく

ズレて適当に止めたものだから

ビスを打ち込むにも

うまくいかない。

ー 過ぎる時間 ー

時間は

刻々と過ぎていく。

そんな時

成田さんという女性が

滑るベースパネルの角に

両面テープを上手に使って

滑り止めを付けてくれた。

他のベースパネルは

荻原会長がビスで

なんとか止めてくれた。

ここから

下地パネルの取り付け

写真パネルの貼り付けだ。

ー 完成 ー

19時数分前

ついに完成した。

仲間が

助けてくれなければ

絶対に間に合わなかった。

心の底から

感謝した。

ー チェックすると ー

展示が始まり

あらためて

パネル全体を見ると

上パネルでは

写真が

一枚逆さまになっており

下パネルでは

厳密に計算した

上パネルとずれていた。

あの時間のない中では

仕方ないが

ぶっつけ本番の怖さと

1mmにこだわったことが

水疱に帰した

悔しさがあった。

ー 学んだこと ー

今回のような

大規模な展示は

2度とできないが

本当に

多くのことを学んだ。

緊張し

能力以上に

頑張ったせいか

展示が終わった今

気が抜けて

体がだるくて

2日ほど

寝込んでしまった。

心配で

多めに付けた

マジックテープが

強力過ぎて

写真パネルが外せないという

おまけ付きで

今回の展示は

全て完了した。

ー 感謝 ー

力を貸して下った

たくさんの方々

展示を手伝ってくれた

美瑛写真サークルの皆さん

本当にありがとうございました。

無事展示を

終えることができたのは

皆さんの

お力添えのお陰です。

心からのお礼を申し上げます。

カメラ:SONY α7RⅤ

レンズ:FE 90mm F2.8 Macro G OSSなど

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