苦い唾(つば)

この木との

初めての出会いは

今でも

鮮明に覚えている。

写真をクリックすると拡大表示します。

BGMを聴きながらBLOGをお楽しみ下さい

・出会い

まだ

美瑛に通い始めた頃

いいポイントはないかと

探し回っていると

大勢のカメラマンが

撮影している場所を見つけた。

畑は

じゃがいもの白い花で

埋め尽くされていた。

・隣の男

夢中で

撮影していると

「プロのカメラマンですか?」

と隣の男性から

声を掛けられた。

「まさか💦

違いますよ。。

アマチュアです。」

「旭川なんですけど

美瑛に通い始めたばかりで。。」

「初めて来ましたが

素晴らしいところですねぇ」

「あら、そうなの?

撮り方見てたら

プロかと思った」

「素晴らしいところでしょ!

綺麗なところだよねぇ!」

・悪魔の囁き

「実は

この先に

いいところがあるのよ。

行ってみたら?」

彼が指差す先は

木立に遮られて

道路からは見えないところだ。

彼が言うとおり

きっと

あそこまで行かねば

撮れない景色があるんだろう。

・躊躇

「でも

畑に入るのは

まずいですよね。。」

「畑の縁を

行くだけだもん。

なんともないって」

「でもなぁ。。💦」

畑では

農家の人が作業している。

「なんか言われたら

すぐに出ればいいんだし

あそこじゃなきゃ

撮れない写真だもん。」

「いいよぉ。

素晴らしいよぉ。」

「なんともないから

絶対

撮った方がいいって」

・誘惑に負けて

その言葉に

背中を押され

誘惑に負けて

恐る恐る足を踏み入れた。

畑の土を踏まないように

縁を慎重に進む。

パパッと

何枚か撮って

逃げるようにして

反対の道路に出た。

・後悔

すごい罪悪感。。

ちょっとなら

いいのだろうと

ボクを見て

大勢の人が

畑に入るのではないか

と心配になって

見まわした。

すごく恥ずかしかった。

その数年後

美瑛を代表する

人気スポット・哲学の木が

切り倒されたことを

旅行先の金沢で知り

苦いツバが込み上げた。

使用機材

カメラ:FUJIFILM X-H2

レンズ:FUJIFILM XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

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