ー 黒の世界 ー
人間は
カラーでしか
物を見ることができない
しかし
カメラなら
モノクロームの世界を
写すことができる
30年近く撮ってきて
興味は
次々と変化したが
最近は意識して
モノクロームで
撮ることが多くなった

増毛という
北限を超えた地に
たわわに実る
不思議な柿
しかし
艶やかな葉の
力強い表情を
見ていると
柿ではなく
こちらを
主役に
撮ってみたくなった
ー 引き算 ー
カラーで写せば
淡く色づいた
柿は弱々しく
いかにも北国の柿であり
葉も
一枚として
同じ色の葉はない
やはり
余計な
要素が多すぎる

雪の重みで
捻じ曲げられた
柿の木の力強さと
たくましさを
表現したくて




木陰にあった
枯れた花に
命の儚さを見て

細い葉の
光が当たった部分だけを
切り取って
繊細さを表現

色という
要素を消した花

色のない花は
不思議だが
だからこそ
独特な美しさや
存在感がある

主役や
テーマをはっきりさせる
そんな効果も
白と黒だけの世界では
さらに際立つように思う
カメラ:SONY α7RⅤ
レンズ:FE 24-105mm F4 G OSS